労働賃金は、職業を選ぶ上でサンクトペテルブルグの人が基準にする何よりも基本的な要素である。回答者の大多数(97%)が提示された所得の多さこそが、どの企業に入るかの決め手になる事を示した。
第2位は、自宅から仕事先までなるべく短時間で快適に通勤できるような職場の立地であった。これは
ぺテルブルグに住む
66%の人々にとって非常に重要な要素である。
ただし、もし給料や職場の立地が同水準だとすれば、会社の重役や社長に直接働きかけることができるという別の判断基準が仕事を決める過程において現れてくる。
そして、サンクトペテルブルグに住む人々の過半数は、どれだけ社名や製品が有名であるか、組織内にどのような企業文化があるのか、またどれくらいの期間候補生としてみなされるのか等を、同様に細心の注意を払い考慮している。
特に重要な最後の要素は、就職活動者が
職業選択に対して
金融危機直後よりも大変慎重になっている今日、人事部とのコミュニケーションや、当初の予定内で返答の条件として交わされた期日内での約束を最終的に守る事である。
43%の人々は、会社の座談会へ足を運びながら社員を観察し、そこで働いている人々について見通しをつけようと努めている。
サンクトペテルブルグで就職活動をしている回答者の内3分の1にとっては、オフィスのデザインが重要であった。
一方約5人に1人はその会社がHRブランドイヤー(※)を受賞する可能性に注意を払っていたり、ソーシャルネットワークや雇用の様々な「ブラックリスト」内で企業に対する反応を検索している。
すでに職に就いている人にとっては、雇用側への忠誠心となる大きな動機は、またしても、仕事に対する報酬の水準であり、この要素はペテルブルグ出身者のうち91%が示している。給料が調えば、人々は会社のためにより多く、より効率的に働く準備ができている。67%の人々にとっては、給料が完全に「ホワイト」で、ボーナスの判断基準が明確である事が大きな意味を持つ。
第2位に重要な要素は、職場の立地の良さ、与えられた設備や技術、休憩所の提供等であった。興味深いのは、ペテルブルグの人達にとっては柔軟なスケジュールや自分の負荷を自立的に調整できるかどうかが、任意健康保険を含む福利厚生の手厚さ、携帯代や食事代、移動費の支給等よりも重要だという事である。
第3位には忠誠心の動機の物差しとなるのは、複数企業が自社員を甘やかす、ありとあらゆる「チップ」である事がわかった。無料のお茶、コーヒーやスナック、様々なゲーム(ボードゲーム、プレイステーション)、スポーツ用品等である。
※HRブランド賞:世間の評判に基づいて企業に与えられる賞の事
ロシアへ来てからよく聞くのは、ソ連崩壊後もしばらくは時代の名残があり、
お金の話をする事はタブーだったという話です。
当時収入等について話をする事は恥ずかしい事で、自分だけの幸福を考えている傲慢な人だととらえられる事も珍しくなかったそうです。
上で紹介したのは2013年3月に発表されているデータですが、ほぼ全員が働く上で給料を重視しています。
こうした結果からもロシアが資本主義へ移行していく中で、人々のメンタリティの変化も伺えますね。
またサンクトペテルブルグの人々は福利厚生よりも、自分らしい働き方を大事にしているようです。
確かに私のオフィスでは始業時間というものが決まっておらず、社員それぞれが自分の仕事に合わせて出勤してます。
私が今いる社内はそんなに大きなところではないですが基本的に和やかな雰囲気で、仕事中も談笑が絶えません。同僚からは「そんなにじっとデスクに座ってないで好きな時間に休んでいいし、必要なら買物だって行っていいんだよ」と言われた事もあります。
ロシア人は学業や仕事に対して真面目なイメージを抱いていたのでこの発言には非常に驚きました。彼女曰く、「しっかり自分の仕事をこなせば、あとは自分の好きなようにすればいい」との事です。これがひとりだけではなく職場のほぼ全員がこう考えているようで、メリハリをつけて働くのが上手なんだなぁと印象深いものでした。
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